Edit GIFU-岐阜を編集するということ


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Edit GIFU-岐阜を編集するということ」 
期日:2019216()
時間:14:00-16:0013:30開場)
講師:高野直子(ギフノート編集室)
参加費:2,000  (岐阜のおやついろいろ、お茶付き)
定員:12  (事前申込制)
持ち物:『Edit GIFU』(お持ちでない方は当日ご購入いただけます)


Edit GIFUは、岐阜のまちに暮らす編集者が
いつしかまわりの人たちを巻き込みながら、
このまちの景色や、まっすぐでやさしい人々や、
美味しい料理や、愛しいものたちのことを、
2016年から2年以上かけてゆっくりと、
たっぷりと綴ったリトルプレスです。


noteからedit
岐阜のまちのささやかだけれど確かなもの、ちょっと真面目で愛おしい人々、そして美味しいものたちを綴ったリトルプレス『ギフノート』。20119月の発行からわずか3ヶ月で完売した、まぼろしの小さな手帖をたずさえて、岐阜のまち歩きを楽しんだ方も多いのではないでしょうか。あれから7年。ギフノート編集室から、昨年あらたに『Edit GIFU』が発行されました。岐阜のまちと人を、愛おしさをこめて丁寧に綴ることへの思いの深さはそのままに、小さなノートとペンひとつを用意してやさしく書き留められた『ギフノート』は、あらためて“岐阜を編集する”試みとして、写真やデザインのすみずみにまでこだわり、読み物としての手応えも十分な『Edit GIFU』へと移行しました。心そそられる料理や、すてきなお店の方々を、眺めているだけでも楽しいこの1冊ですが、2年以上を費やしたという“edit=編集”の作業を支えたその思いとはどんなものだったのでしょうか。そして何より、本を、まちを“編集する”とは、どういうことなのでしょうか。おすすめの岐阜のおやつとともに、『Edit GIFU』のページをめくりながら、ギフノート編集室で綴り手、そして編集者をつとめる、高野直子さんにお話をうかがいます。

高野直子(たかの・なおこ)
岐阜市在住。編集者として岐阜の情報誌などの制作の仕事にたずさわる傍ら、岐阜のまちをこよなく愛するあまり、プライベートでリトルプレス「ギフノート」「柳ケ瀬BOOK」「Edit GIFU」を編集・発行。



画像に含まれている可能性があるもの:3人、座ってる(複数の人)、テーブル、室内



216日の「Edit GIFU-岐阜を編集すること」にお集まりくださいました皆さま、ありがとうございました。

高野さんがお話会の後、ツイッターで「普段はごく自然に無意識に行っている"編集"とはどういうことなのかを、新しい視点から考え、それをあえて言葉にすることで、いろな気付きがありました」と、記されていましたが、キャプションがお話会の企画を持ち掛けてから今日まで、私どもにとっても、いろいろなことをあらためて考える機会となりました。昨日はおやつのご報告のみでしたので、お話会について、これまでの打合せでのエピソードもまじえて、お伝えしてみようと思います。

高野さんは普段お仕事として、某情報誌の編集に携わっています。年に4回ほど届けてくださる、真新しいページを、高野さんの解説つきでめくっていくのが、本当に面白くて、いつか皆さんにも聞いていただく機会を設けられたらと、ぼんやり思っていたところ、岐阜愛が高じて、高野さんがプライベートで制作をすすめていた「Edit GIFU」が、昨年ようやく完成。ぜひともキャプションで「Edit GIFU」を片手にお話会をと、お願いしました。
「高野さんの編集うらばなし」と題してお聞きするだけでも、十分おもしろい、という確信もあったのですが、実は企画を考えている段で、あるお客さまから「いまは本だけでなく、いろんな分野で"編集、編集"と言われているけど、そもそも編集って何なんですか?」という、おたずねがあり、はて、確かに・・・岐阜を、まちを"編集する"って、どういうことなんだろう?是非ともそのあたり伺いたいと、打合せにお越しいただいたのが、年末のことでした。

あらかじめメールでお伝えしていた企画の概要などを確認した後、さていよいよ「ところで編集って、そもそも何ですか?」とおたずねしたところ、まさかの「えっ?なんだろう??」のお答え。「えっ?編集者なのに??」と思わなかった、と言えば、嘘になります。でも「なるほど案外そういうものか」と、なぜか納得するところがありました。「ごく自然な作業なので考えたこともなかった」という高野さんのきょとんとしたお顔から、編集するということが、理屈ではなく素直に身体に染み付いているものなのだ、ということが、うかがえるように思えたからです。それなら尚更、ご本人もまだ自覚されていないところが言葉として表されたら、それは面白いのではないかと、何やらますます興味がわいてきました。実際、それからの高野さんは堰を切ったように、ご自分がこれまでに触れてこられた編集についてのあれやこれやのエピソードと、思いの深さが次々とあふれだし、あっという間に時間切れに。そして「編集とはなにか」は、高野さんのお正月の宿題となりました。



画像に含まれている可能性があるもの:1人、座ってる、食事、テーブル、室内

年が明け、お食事をかねた打合せの席でのお話が、先日のお話会の内容とも重なっていきます。

「いろいろと考えてみて、いまだによく分からないけれど、自分にとっての編集とは、自分では作らないことなのではないかと思う」。「編集とは作らないこと」。それは予想をこえた回答でした。きっと参加された皆さんも同じように感じられたのではないでしょうか。

お話会の前半、「Edit GIFU」のページをめくりながら、高野さんのお話は止まることを知らない、というくらい、熱がこもっていました。それは、ページをめくるたび、取材先のお店の方々とのやりとりや光景、デザイナーとパソコンに向かいながらの長い長い編集作業の様子が思い出される、というより、今しがたまでその場にいた、というような臨場感がありました。レイアウトひとつ、写真ひとつ、フォントひとつ、句読点ひとつ、ページのすみずみにまで目を凝らして作り上げている様子が語られた時は、そのあまりのこだわりぶりに、何もそこまで・・・と、ちょっと戸惑われた方もいらっしゃったかもしれません。

それが、そこまでして「作っていない」とはどういうことなのか。高野さんは「自分はすでにあるものを丁寧に自分の視点、受け取り方でまとめあげているだけで、一から作ることはなにもしていない」と。それを聞いて「なるほど、私と同じですね」と、居酒屋のカウンターでうれしくなったのを覚ています。ギャラリーの仕事も同じです。作品を作っているのは作家で、私たちはそれをただ取りまとめているだけなのです。

そして「あるかたちとしてまとめられた本が、どう変化して伝わっていくかが大切なのだと思います」と。それも、まさに美術と同じでした。そしてそれは美術にかぎることではないのかもしれません。世の中や、人に対して、変化を起こす。本も美術作品も、そのためのきっかけでしかありません。大切なのは、それを受け取る側であり、完成した後の、本と受け手との時間の方が、作り手の手元にある時間よりもずっとずっと長いのです。だから編集者は出来るかぎり謙虚であらねばならないのだと。

そしてそのために「文章を書く上で3つの視点を大切にしている」と話されました。
①取材先(相手)
②自分(書き手)
③読者(受け手)。
三者それぞれの立場で読んだときの快、不快を何度も確認して考える、そのためには想像力を働かせることが必要だと。そうしてこそ「正しく伝える」ということが出来るのだと。

「取材をしていて、自分はそれを作り上げた時間も苦労も体験も、何もしていない、だから、その人に対して謙虚でいたい。ちょっとだけ聞きかじって書いたような上辺だけの記事にはしたくないのだ」と話しながら、「実はわたし憑依型なんです」と、これまた思わぬ告白。取材で話を聞いているうち、その相手と気持ちや情景が同期してしまうことがあり、そのことに初めて気がついたのは「ギフノート」で取材した「maua」さんにお話しを伺っている時だったとのこと。

余談ですが、本を届けに来てくださるとき、ギャラリーで作品をご覧になっているとき、高野さんがいつもキラキラしているのは何故だろう、というのも長い間、気になっていたことでした。感受性が豊かな方である、というのは、高野さんの文章をお読みになれば、誰しも理解できるところですが、この告白を聞いて、高野さんをキラキラさせているのは、ひとときでもその人と同じ気持ちを生きられるという豊かさ、ひとかたならぬ共感性の高さなのではないかと思い至りました。それは多くの人たちの様々な思いを背負い、正しく届けなければならないという、責任もともなうものではありますが、きっとすてきなもの、愛おしい人々に囲まれていればいるほど、高野さんは輝きつづける、ということなのかもしれません。

Edit GIFU」にはたくさんの情報がつまっていますが、情報誌ではありません。大切なのは、この本をきっかけに、さまざまな出会いが生まれることであり、そのきっかけを綴っていくことが、高野さんにとっての「岐阜を編集するということ」なのです。

最後になりましたが、ギフノート編集室の高野直子さんに、あらためてお礼を申し上げます。ありがとうございました。




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『高野さんの岐阜のおすすめおやつ』
当日ご用意したおやつをご紹介します。

⚪︎ベンテンドーの栗粉餅
弁天堂岐阜市神田町5-12

⚪︎もちどら
ツバメヤ
岐阜市日ノ出町1-20 ロイヤルビル1階

⚪︎大地のかりんとう 塩
山本佐太郎商店
岐阜市松屋町17

⚪︎雪だる満、都鳥
奈良屋本店
岐阜市今小町18

⚪︎ティラミスチョコ
⚪︎おこのみあられ
平光商店
岐阜市金町4-29